SMUGGLER 1
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SMUGGLER

SMUGGLERの作品情報

真鍋昌平 / 講談社
1巻
   月刊アフタヌーンの連載をまとめた、真鍋昌平初の単行本。松本大洋のような絵柄で井上三太的な表現、といった印象を受けるが、まだまだ荒削りのところはあれど、彼独特の個性と世界観がにじみ出ている。    絵の好き嫌いは分かれるだろうが、ザラっとした荒さの中に読み手を圧倒する迫力がある。ペンのタッチが生きた、力強く勢いのある線で描かれており、コマいっぱいに顔や目だけがアップになるようなフォーカスポイントの変化がおもしろい。モノクロの静止画の連続という印象を受ける画風からは、ヒリヒリするような緊張感と危うさが漂い、作品全体の殺伐とした空気がリアルに伝わってくる。    内容はかなり暴力的で、展開も強引といえば強引。だが、最後まで読み通すと、清々しさのようなものさえ感じられるのだ。主人公は、とある事情から裏社会での「運送屋(スマグラー)」のバイトを始めた砧涼介。「なに一つ遣り遂げたコトもない」という彼の独白は、彼と同じように弱い部分を持っているものの胸に響く。だからこそ、彼が命を賭けた大役を演じきったときに、読者はカタルシスを覚える。    クセのある強烈なキャラクターが勢ぞろいするなかで、存在自体がシブい無口な運送屋「ジョー」と砧との信頼関係のようなものや、殺し屋「背骨」の自己言及的なセリフ、そして最後のワンシーンが、作品をせつない色に染め上げている。1冊を通じて読み終えたときに浮かび上がってくるカッコよさとせつなさが魅力的な作品である。(盛岡真美子)

SMUGGLERのみんなのよんだ

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